「Review」カテゴリーアーカイブ

ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ @世田谷文学館

世田谷文学館で開催されている信藤三雄さんの展覧会を見てきました!


(各駅に乗ったつもりで急行に乗ってしまい、つつじヶ丘まで行ってしまったのはひみつ…)

平日の開館直後は人が少なく、ゆったり見られました。撮影OKだったので、自分も皆さんもパシャパシャ。
中に入って最初にバーンと目につくのはやっぱりこれ、ヘッド博士の世界塔!

アルバムジャケット! 全部現物。ケースにひびが入っているのもあって、誰かのおうちのコレクションみたいでなんかリアル。変形のもたくさん、きっと昔は予算があったのね。

8cmシングル懐かしーーーい! この形のデザインって、この時代独特の文化だよね。

壁一面のポスター! 一枚一枚見てたら腰と首が痛くなったw 

そしてなんと言っても、フリッパーズギター関連が充実! 「海へ行くつもりじゃなかった」の中の漫画は、ファンからレコード会社に送られてきたもの、っていうのを初めて知りました。 オリジナルラブと一緒に写ってる広告写真も初めて見た~!

インタビューも読みたかったので、帰りに図録も買って帰りました。

ビーマイベイビー 信藤三雄レトロスペクティブ
信藤 三雄
平凡社
売り上げランキング: 17,574

眼福眼福。
あ~懐かしい!好きだった! っていうのもあるけど、今見てもセンスの塊でオシャレで新鮮で、嫉妬してしまう(なにさま)。
北関東の田舎で学生時代を送った私の青春と憧れの「東京」が詰まってる。もう絶対自分にはできないし手が届かない世界のことを思う。
音楽+デザインの相乗効果で、よりいっそう「伝わる」感じ。
この辺の原体験があるから、いまも配信じゃなくてCDで買ってるのかも知れない。

90年代~00年代あたり、特に渋谷系の音楽が好きだった人には特にオススメです。
展覧会は9月17日(月・祝)まで。

シベリア少女鉄道vol29<シベリア劇まつり>『残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!』

見に行ってからもう2ヶ月近く経ってる…2017年12月公演です…いまもう2月終わりそう…
自分の記録用なのでもの凄い今更だけどメモメモ。

珍しく?というか、はじめてじゃないかな、シベ少さんのサンシャイン劇場。
キャパとしては過去最大!
最後に来たのは、上川さんが久々にキャラメルボックスの舞台に立つっっていう時だった気がする。
そうそう、駅からね、めちゃくちゃ歩くんですよね…

最初は「残雪の轍」忍びの者たちのシーンから。
変わって、「キャンディポップベリージャム」の世界・現代クリスマスイブの女子寮ロビー。
その管理人と帰省前の女子数人が、仲違いしてしまった二人を仲直りさせようとサプライズパーティーを企画する。
そこへタイムスリップした残雪パートの二人の忍者。
二人の行動によって、その末裔である女子二人の未来がリアルタイムに変化していって…!?
なお話でした。

エビ中の安本彩花さんと元ハロプロの中島早貴さんがツートップ!
二人のバトル(?)がどんどん加速していって、
時事ネタありのアメリカ大統領と最高指導者の国と国との争いまで!? …なんだけど、
わたし途中までなんかピンときてなくて、あれ?あれ?って、ちょっとポカーンとしてしまって。
なんて言えばいいんだろう…でも、これは私がシベ少マニアだからだと思う、すごくそう思う。
前半もちゃんとおもしろいしすごくよくできてる感じとか、ちょっと物足りなくて。
伏線の張り方とか装置とか道具とか、もうそんなことまで!?って感動するほど素晴らしいのだけど、
爆発力がもうちょっと欲しいというか、大オチはちょっと脱力というか…
これはもう好みの問題ですね、わかってますーーー。
だから次もとっても楽しみだし、また見に行きたいと思います。
こんなうだうだ言ったって、結局私にとって一番おもしろい劇団だって言うことに変わりないので。

もう、祈るしかないわ!!!

読書記録「ナタリーってこうなってたのか」

ナタリー代表の大山さんが退任されるというニュースをTwitterで見かけ、そういえばまだ読んでなかったな、と買って読みました。
創業8年目に書かれた、ナタリーの今までとこれからのことを書いた本です。

もともと私はミュージックマシーンの読者だったので、ナタリーの大山さんというよりミュージックマシーンのタクヤさん、というイメージ。面識も何も一切無い本当にただの一読者ですが!
アンテナに入れて更新される度にチェックして、邦楽ニュースをざっくり知れることとタクヤさんの一言コメント、BBSの雰囲気も好きでした。個人サイトから起業しちゃってすごいなあ、くらいの感じだったんですが、知らなかった、最初は結構苦労してたんですね。

先に書いた一言コメントや起業後の個人ブログもたまに読むくらいタクヤさんの文章が好きだったこともあって、すっと読み切りました。
淡々としてるのに熱い、というのでしょうか。フラットだけどとんがってるというのでしょうか。はっきり言語化することはなくともしっかりした芯がある人柄がうかがい知れ、且つそれがナタリーというサイトの持つ個性そのままと感じました。
続きを読む

読書記録「れもん、うむもん! ーそして、ママになるー」

新潮社のサイト「ROLA」で連載後、単行本になったはるな檸檬さんのコミックエッセイです。
妊娠編・出産編・育児編の3編に分かれていて、「嬉しい・楽しい・幸せ!」だけじゃ済まない、不安や戸惑いなどの心の動きが正直に描かれています。
出産関連のコミックエッセイってすごいたくさんあって、その手の本はそれほどたくさん読んだことがあるわけじゃないんだけど、私にとってはもうこの一冊だけでいい!と言い切れるくらい、大事な一冊になりました。

0715remon2
出産を経て一番強く思ったことって、帯にも描かれているんだけど、
「 お も て た ん と ち が う 」
こんなに思い通りにならないの!? こんなに痛いの!? こんなに眠いの!?
…なんでこんなにしんどいの?
子供はすごくかわいい、信じられないほどかわいい、今まで知らなかったこんなレベルの強い感情があるなんて。だけど同時にすごく大変。
すっっっっごく幸せとすっっっっごく大変が両立する。大きすぎる感情の振れ幅に疲れてしまうほどに。

でもそれを口にすると「みんなやってるんだから」「自分よりこどもの方が大事でしょ」「幸せなことなのに愚痴ばかり」「贅沢」「自分で選んだくせに」って言われてしまいそうだし、大変だ大変だと感じてしまうことに罪悪感もあった。
だけど、「今、私が、すごくつらい」っていうことと「みんな耐えてきた」っていうことは関係が無い。
…っていうことをはっきり描いてくれていて、月齢6ヶ月未満の頃に読んでぼろぼろ泣けてしまった。
もう1ページずつ漫画をアップして解説したいくらいだよ…(うざい)そっと背中をなでてもらえるようで、何度も読み返してます。
今、すごくしんどい渦中にいる人の中には救われる人もいるんじゃないかな。

1話から4話まで試し読みはこちらからできます。
https://rola.tokyo/?cat=104

妊娠から育児まで、その間に起こることは本当に人それぞれで、同じ女性同士でも気持ちを分かりあえないこともあると思う。なにそんな大変ぶってんのって思う人も居るかもしれないし、いくら旦那さんとはいえ男の人はわからなくて当然じゃないかな…。だけどみんな自分の気持ちを分かって欲しくて、寄り添って欲しくて、だからこそこの世には大量の出産育児エッセイがあるんじゃなかろうか。

暗中模索で五里霧中、だけど時間が解決してくれるってこと。
娘が1歳を迎えた今ならわかります。
つらいと感じてたことも、日々の忙しさに飲まれて既に忘れつつあります。
これからもきっと、今までとは別の大変だしんどいってことがあるんだろうしね。
それでも、出産前のあの頃に戻りたいとは全く思わないんだ。それが答えだと思う。

れもん、うむもん! ――そして、ママになる――
はるな檸檬
新潮社
売り上げランキング: 2,628