「演劇」タグアーカイブ

「深呼吸する惑星」第三舞台

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@紀伊國屋ホール

この封印解除・解散公演は、封印公演を一緒に見た友だちと見に行きました。
その友人は私に舞台の楽しさを教えてくれた人。
出会って19年、封印公演は10年前、そして今友人のお腹の中には赤ちゃんがいる。
時間が経つ、ってこういうことなんだよなぁ。昔は分からなかったことが、今なら分かるよ。

オープニング、全員喪服で登場。劇団の最後を送るかのよう。
死んでしまった人が書いていたblogやSNSはどうなる? そこに残された言葉は、見る人が居なくても永遠に残り続ける。おそらく作者が死んでしまったであろうBlogで公開されている「希望という名の惑星」という小説、それがおもしろいんだよ……。
という夢を見ていた、とある地球から遠く離れた惑星の若者。その星で起きる地球人兵士の大量自殺の原因を探るために、地球から科学者がやってきて――。

最初は設定が見えずに戸惑ってしまったけど、SF仕立ての物語に今の日本の基地問題や原発問題等々が投影されている。

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「ノーアート・ノーライフ」ナイロン100℃

70年代・パリのとある酒場に集まる自称芸術家の日本人男性たち。アーティストとしての成功を夢見てパリに来たのに全く芽は出ず、かといって今更日本に帰国することもできずにくだを巻く。
あるハプニングから、1人の画家の作品は高く評価され成功してお金持ちに。
求められるものを作れば売れる、だけど自分が本気で作った物は売れず「あなたらしくないよ」と言われてしまう…

10年振りの再演、とのことですが初見です。
アートってなんだろね。売れるから素晴らしいのか、素晴らしいから売れるのか。そもそも誰が見ても素晴らしいと思うものなんて、あるの? というか、そんな物は必要あるの?
ダメ人間だけど、愛おしくなってしまうような登場人物たち。
爆笑、というより、細かい笑いがたくさんちりばめられたような3時間でした。

「熱闘!飛龍小学校☆パワード」

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桜ジュリエッタ「熱闘!飛龍小学校☆パワード」@ラゾーナ川崎プラザソル

かつて探偵ジョーをやっていた保村さんは、金のランドセルを背負った伝説の卒業生として出演し、美味しいところを全部持って行っていた。
そして、かつて佐々木蔵之介さんがやっていた豪天寺はパッション屋良さんがやってたw

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舞台版「千年女優」


私の今敏監督への愛は以前にもちょっと書いたことがあるんですが、監督の「千年女優」の舞台版が再演されることになったのです。初演は大阪・愛知のみだったので見に行けず、今回は東京公演があるので喜び勇んでチケットをおさえました。
しかも、演出の末満健一さんは、私の大好きだった劇団「惑星ピスタチオ」の元メンバーでもあります。というかそもそも「千年女優」はピスタチオの舞台の影響を受けているのです! これを見ないで何を見るんだという話ですよ!

装置は白い椅子。キャストは女性5人のみ。それがくるくると役を変えて何十役を演じます。帽子、眼鏡、ストールなどの小道具で誰役かの目印はあるけれど、訳が分からなくなることはなし。
ストーリーは映画にとても忠実。ただ、「私、ひと目あの人に会いたいんです!」「待って……待って!!」 生身の人間が目の前で声を出し、必死に前へ前へと駆けているからからなのか、映画よりももっともっと強く「会いたい」気持ちが迫ってくる。
走り続ける5人の千代子の姿、蓮モチーフの衣装や舞台がとてもよかった! 本当に見てよかった。珍しくパンフも買った。

唯一残念だったのが、クライマックスのシーンで音響トラブルが起きて、一切の音がぷつりと消えてしまったこと。ただ、舞台上の5人はそのまま演技を続けそのうち音は戻ってきたし、そこまで致命的ではないのだけれど、一瞬素に戻ってしまったのがもったいなかった。そのおかげでカーテンコールで謝りまくる末満さんを見られたw

私の席は幸運にも最前列センター付近だったんですが、隣の席がひとつ空いていました。「こんないい席なのにもったいないなぁ」と思ったら、その後twitter経由で「各ステージセンター最前列は、今監督のために空けてある」という事を知りました。ってことは、私、監督の隣で舞台を見たんだ…! うれしいな。アニメ、もう一度見返そう。

「もう一度、この手に」シベリア少女鉄道スピリッツ

@王子小劇場

この日劇場に向かう途中、山手線で起きた人身事故の、
まさにその現場となってしまった電車に乗っておりました…。人生初。
それはそれはイヤなドキドキがするわ、舞台の開演に間に合わないかもしれないと愕然とするわ。
頭からすーーーっと血の気が引きました。

で、ダッシュで劇場に着いたところ、事故を受けて開演時間が15分延びていたので助かりました。
通路も最前列の前にも椅子を出してぎゅうぎゅうの満員。

今回はいつもと違って短編作品のオムニバス、という体裁の作品。そうかー、オムニバスかー…と思いきや、
妙な居心地の悪さが頂点に達した瞬間、突然の「天の声」により事態は一変。
いつもは長い前振りのひとネタ大爆発、だけど、短編というスタイルゆえネタ満載。
前半眠くならないの久し振りw おもしろかった!
オープニングムービーも凝ってて格好良かったなぁ。

今回の作品のひとつは、何年か前にフジテレビの深夜番組で放送されたものの再演。
これ家で爆笑したなー。